10日ぶりの再会の夜「さんかく」と話したこと その2

  布団の中で、下の子の「まる」は、普段とそれほど変わりがないように眠りにつきました。
 まる:「明日も明後日も、おとうちゃんのアパートで泊まりたいからね。おとうちゃんに聞いといてね。」
 しかく:「おとうちゃんの新しいお家には、なんの楽しみがあるのよ~?」 
 わき腹をつついて、からかいながら聞いてみると、
 まる:「かわいいお洋服がいっぱいあるの。だから行くの。」
 しかく:「そりゃいいーなー、いっぱいあるの?」
 まる:「そう、い~ぱいあるの、しかもドレス(ワンピース)がいっぱいあるの!かばんも置いてあるし!」

 まだまだ年齢的に、状況が理解できていないのは当然のこと、新しいお家ができたと、言葉のそのままを受け取っている様子が見て取れました。私は、「まる」のこの無邪気な様子に安心し、その元気な姿に助けてもらったような気がします。
 

 一方で、上の子の「さんかく」はというと、布団に入ったものの、ごそごそと寝返りをうつので背中をさすると、「昨日眠れなくてさ。」と話し始めたので、しばらく話をしていました。
 昨日4/8は、子どもたち二人は、夫の別居先であるアパートに泊まっていました。夫は、この生活を練習させるためと言って、そのように予定を決め、子どもたちは滋賀から直接そこに帰ったようです。「子どもたちにも気持ちがあるだろうから、聞いたげてね。」とだけ伝えましたが、夫の返事はありませんでした。

さんかく:「新しいお家ができたのは、嬉しかったんだけど、夜が眠れなかったん。」
しかく:「そうか。なんか考え事してたの?」(「さんかく」は不眠気味で、よく眠れなくなることがあります。)
さんかく:「なんだろ、なんも無いけど、なんか眠れへんかった。」
しかく:「そうか、、、なんか、頭の中電気ついてるみたいになることあるよね。で、眠らないと明日しんどいのに、て思うと余計眠れないし、皆が寝てるから起きることもできないし、寂しいやらすごい嫌よね、あの眠れない時間。」
さんかく:「そう。でもなんか今も眠れなさそう、、、。」 
しかく:「ほんならマッサージしたげる。でも、おとうちゃんのアパートやとしたげられへんから、1個、石ころマッサージ教えとく!」

 「さんかく」は、よく眠れなくなることがあるため、布団に入ったら体をマッサージするということが、週に何度かの日課となっています。マッサージをしながら、今日あったこと、悩みや最近欲しいもの、読んだ本のことなど、子どもたちからのことだけでなく、お母ちゃんである「しかく」のことも聞いてもらっている日もあります。

 この数時間前、お風呂に入る前に、突然「さんかく」が、
さんかく:「話し合ってくれたんだよね。これがいいって。」
しかく:「ん?これって?」
さんかく:「離婚はしないけど、お父ちゃんとお母ちゃんは別々に暮らすってこと」
 私は、息が苦しくなりました。話さないでと夫には言っていたからです。「書斎を構えたから泊まりにおいで」くらいにしてほしいとお願いをしました。それは、子どもたちが、こうして、夫婦が別に暮らすということを受け止めるときに、夫婦そろって子どもたちの前に居てやらなければと思ったからです。「離婚はしないよね」「会えなくなるのかな」どういった不安を子どもたちが口にするのか分かりませんが、分からないからこそ、両親が2人の目の前に居て受け止めてあげなければいけないと思ったからでした。
 私は、「そうかあ、お父ちゃんからそう聞いたんやな。そうやな、今も話し合ってるんやよ。」

 そして、「さんかく」は、こう言いました。

 「仕方ないんやんな。」

 思い出しただけでも苦しいです。子どもに「仕方ない」なんてこと言わせるようなことをしてるんだ、と改めて、自分がとても嫌になり、自分に腹が立ちました。夫が決めたこととはいえ、そして、夫には勝手なことをしてなど非難することができても、親としては、最低なことをしているのに違いなく、一生このことは子どもたちに御免なさいと思って、反省して生きていかなければならないなと思いました。

 私は「さんかく」にこう言いました。

 「仕方ないとか思って理解しなくていい。嫌なことは何でもお母ちゃんが止めたげるし、苦しいことがあるときはすぐに飛んでくるし、「さんかく」は何も我慢しなくていいからね。今日は大丈夫でも、明日がだめだってこともある。ぐちゃぐちゃでいいから、なんでも言うんだよ。」

 どれだけ伝わったかなと思います。
 「さんかく」は、うんうんとうなずきました。
理解してくれようとしている、心はきっと嫌なんだ。それは嫌だろうと思います。喧嘩をしながらでも、帰るお家が定まっていて、そこには両親が居て、そうした当たり前のことが崩れるのは、嫌に決まっています。心ではなく頭でこうだからと理解しようとしているんだなと感じました。
 私は決めました。
 これから、「仕方ない」なんて思わせたくない。
 どんなことをしても、子どもたちに「仕方ない」なんて言わせないようにする。
 この日、私は、心の中で、そう子どもたちに約束しました。

 みなさん、見ていてくださいね。

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