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まる「急にそんなこと言われてもさ 一緒がいいよ」

 今週のはじめ、4月15日と16日、「まる」は、熱を出していました。
今のような2拠点生活になっていなければ、これまでは、私がパートの仕事を休んで看病をする、ということが日常でした。
 でも今は、夫が出ていき別居生活が始まっており、ちょうど、この2日間を含めた17日までを、夫が面倒をみるという約束でした。(この2拠点生活は、夫が別居すると同時に始めた、子どもたちの生活スタイルです。夫は、今後も、夫婦で交代で監護をするということにしたいようで提案してきました。)なので、15日の朝、発熱があることを夫にメールで知らせ、夫は、こちらに「まる」を迎えに来て、私は、仕事に出かけました。

 出勤する前に、「まる」と話しました。
しかく:「今日は、お父さんが迎えに来るからね。大丈夫だよ。安心してね。」
まる:「うん。お仕事頑張ってね。」
しかく:「病院に連れてもらうように、お父さんに言ってあるから、お薬もらって飲んで、いい子にするんだよ。」

 そうして、私は、夫の別居先には無いであろうものを、大きな紙袋に入れて玄関に置いておきました。
氷枕・冷えピタ・好きなゼリー・おかいさん(お粥)に入れる鰹節と、回復したら登園できるよう幼稚園の用意です。

 熱が出ているのに看病してやれなくて、私の心の中は、辛い気持ちでいっぱいでした。
にもかかわらず、努めて何でもないような、むしろ、いつもよりも多くを話さず、「まる」を置いて、出勤しようとしていました。(思い出すと苦しいです。)というのも、私が、「まる」に「仕事休んでお家に居ようか。」と聞けば、必ず「うん」と言うに違いなく、でも夫は、それでも、「まる」を連れていくと思いました。そうすれば、玄関で、両親が「まる」を取り合うような状況になり、「まる」もそれを見ます。そのときの雰囲気や私たちの会話を、見せたくないなと思ったからです。
 「まる」は、仕事に向かう私に、「いってらっしゃい。」と言ってくれました。

 それから15日は何の連絡もなく、16日に、アパートに「さんかく」の忘れ物を届けた際に、「まる」に会いました。
「まる」も「さんかく」も、「部屋に入って部屋に入って!」と言いましたが、夫が嫌がるだろうと思い、部屋には入らず「忘れ物を届けただけだからね。」と言って、すぐに帰ろうとしました。(別の記事でも軽く書きましたが、)「まる」は、「お母ちゃんと帰りたい。このまま車に乗って帰りたい。」と泣きじゃくっていました。「今日は、こっちだからね。」としか返せず、車に戻りました。
 私は辛くて泣いて、しばらく運転できませんでした。

 夫は、このようなことも「仕方ない」と言うんだと思います。私が、夫に、こうした2拠点生活を子どもたちに強いるのはよくない、少なくとも、気持ちを尊重してやってほしいとメールをしたときも、「慣れと訓練が必要で、必要なら仕方ないです。」(原文のまま)と返事を返してきました。でも、私は、とても「仕方ない」とは思えないし、子どもたちに「仕方ないでしょ」とは言えません。何のための、誰のための、2拠点生活なのでしょうか?夫が、子どもたちが両親と満遍なく会えるためとして提案してきたこのスタイルは、実情は、子どもたちの生活拠点を二分し、子どもたちの気持ちを無視していることになっているのではないか?私は、やはり、この生活は、早くやめなければいけない、と思いました。
 

 そして、もう今は、正規職員になることよりも、自分が出ていく先の新居を探すことよりも、まずは、子どもたちが安心して生活できる環境を整えること、そのことにまずは専念しようと思っています。というよりも、気づけば、そうしたいと思っていました。子どもたちの気持ちをいつでも受け止めてあげられるようにしよう、仕事や新居は、それからでいいやと、今はそれしか考えていません。
なんとなくですが、とても細い糸が切れそうな感じが続いているような気がしていました。今、色んなことをやるべき時ではなく、目の前の子どもたちの求めてることをちゃんと察知できるようにしなければ、大変なことになるような気がする。それが、とても怖かったです。とにかく、子どもたちのことを感じたい、応えられるようにしたい、それで頭がいっぱいでした。

 「まる」は、17日には元気に登園したようで、夕方私がお迎えに行きました。
17日から19日までが私の担当になっていたからです。
自転車の後ろに「まる」を乗せて、お家まで、5分ほどの時間です。
「まる」が話し始めました。

「まる」:「お布団に入っても、寝ても、ずっと泣いてたんやからね。」
「しかく」:「「さんかく」の忘れ物を届けたとき?あの後も、泣いてたんやね、、、ごめんな。嫌やったんやな。」
「まる」:「急に言われてもさ。。。そんなこと急に言われても。。。お父ちゃんとお母ちゃん一緒がいい。」
「しかく」:「急に、お父ちゃんがアパートで暮らすこと?」
「まる」:「ちがう。急に、今日はおとうちゃん(担当の日)だからって言われてもさ。」
「しかく」:「そっか。ほんなら、やっぱりあの日一緒に帰りたかったんやね。今度からさ、同じようなことになったらさ、一緒に帰ろうね。約束する。」

 そして、実は、自宅には、熱を出した「さんかく」が居ました。
「まる」と入れ替わる形で、熱を出していました。
15:00過ぎに、法律事務所から帰宅し、娘の「まる」を迎えに行く前に、夫のアパートに「さんかく」を引き取りにいきました。
 39度を超える熱でした。
 様子が普通の風邪と違っていたので、病院ではなんて言われたのか聞くと、連れて行ってもらっていない、と言っていました。なぜ連れていかなかったのかとか夫に言いたいことはたくさんありましたが、もうどうでもよくて、すぐに病院に連れていきました。結果、新型コロナでした。

 21日まで、息子の「さんかく」は、自宅待機となりました。
夫には、「自宅待機期間中、21日までは私がこちらで面倒をみます。」というメールをしました。夫は、「心配しています。くれぐれもお願いします。」と返事をしてきました。

 「まる」も、幼稚園に行って、私はお迎えに行く。
帰ってきたら、ウタマロで、泥だらけの制服を手洗いして、明日使うものを乾かすため、すぐに洗濯機をまわす。
 体調の悪い「さんかく」を病院に連れて、熱の時には決まって食べていた、冷やしうどんを買ってきて食べさせる。
リンゴジュースは、「さんかく」のためだけど、「まる」も必ず欲しがるから、2本買って帰る。
冷えピタも、体調の悪くない「まる」も一緒に付けたがるため、二箱買っておく。

そうしたことが、私の日常でした。
愛おしい日常でした。
私は、これらを大変だなと思っていました。
また、仕事を休まなければいけないな、体調を崩すたびに嫌だなと思っていました。
それが間違っていたとは思いませんが、でも、こうした日常が今はとても愛おしいです。
積み重ねてきたものだなと思います。
お母さんて、大変だな、お給料欲しいなと思っていました。
でも、お母さんでよかったなと思います。

 次回は、一緒に寝た数日で、子どもたちとお布団で話したことを書こうと思います。
今日も、皆さんは、どんな1日でしたか。
お子さんと過ごせていますか。
読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

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